名作ふたたび。
評価:
宮部 みゆき
小学館
¥ 2,052
(2001-03)

昨晩と今夜の連続で、東京タワー局(移転前)さんがドラマ化してくれたのをやってる。
いっぺんに観て楽しみたいので、録画した昨夜放送分はまだ見てない。
けど、ちょっとだけ昨夜のオンエア中に「チラ見」したら“今回は”原作に忠実っぽかったのですこし安心した(いやまだ全部見ないとわからないんだけど)。

もうね、ほんとにね、何年恨んでるんだと呆れられようとも、わたしはこの作品の最初の映像化作品である映画版については生きている限り
「最低」
と言い放ってやると決めているので、今回も言う。
森田芳光を神様のように崇めているひとには申し訳ないが、だったらわたしは『模倣犯』を神様のように崇めているので、その作品をあそこまで酷く侮辱しやがったことで「お互い様」として許してほしい。
唯一、あの映画で誉めるところがあるとすればそれはピースを演じた中居を美しく撮ってくれたことだけ、だ。
物語の内容はともかく、あの映画での中居はほんとうに綺麗だった。
特にヤマメを釣っているシーン(原作にはそんなシーンはない)は、何度見ても惚れ惚れするほどだった。
ぶっちゃけ、単に中居を綺麗に撮るための作品だったんじゃないか、と言ってもいいくらいに。

でも、それだけだった。
映画は酷かった。
真偽のほどは知らぬが、試写会の途中で原作者の宮部さんが怒って帰ってしまった、という逸話も信じてしまえるほどに無茶苦茶であった。
それでも当時中居班であったわたしは、この作品を3回観た。そしてDVDも買った。
が、何度見ても美しい中居を堪能する以外にはなんの感動も得られない作品であることに変わりはなく、原作ファンとしてはほんとに情けなくも悲しいきもちを味わったのを忘れていない。

なので今回のドラマ化の話を聞いたとき、久しぶりに『模倣犯トラウマ』的なものがざわめいて
「おい、ほんとにだいじょぶか?」
心配のほうが大きかったのだが、昨夜の「チラ見」だけだが、なかなか見られそうな気がしている。
特に有馬さんを演じている橋爪さんがよかった。
映画版の山崎さんもよかったけど、橋爪さんはより下町のおじいちゃんぽさが出ていて
「お、原作っぽいぞ」
とおもわせてくれた。

さて、今夜放送の後編と合わせて、今週末、口やかましい評論家ぶっていっぺんに見ましょうかね。


ところで『模倣犯』の続編にあたる『楽園』がWOWOWでドラマ化されると聞いた(!)
うう、見たい、見たいぞ・・・・・・!
WOWOWって、どうやって加入するんだっけ・・・・・・。


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少女マンガは永遠なり。
ネタ元:『とにかくまずこれくらいは押さえておくべき少女漫画20作』@Something Orange
ネタ元:『「女性の描くSF漫画」でこの10人はいかが』@こみっくす感想日記::紫野blog
ネタ元:『アラサー女子が読んでた少女漫画を羅列するよ!』@頭に毬藻る


もの凄くタイムラグが生じているんだが、これに関してはもう黙っていられないので、どんだけ周回遅れであろうと書きます。
ブクマのコメントでは字数が足りなくて尻切れトンボだったし。
かつて同じようなネタで語ったこともあるが、そのときとは少しなかみも違ってるかも、しらんし、2010年度版、ということでいきます。

まずは【とにかくまずこれくらいは押さえておくべき少女漫画20作】から。
順不同ではありますが、わたしの趣味と嗜好を知り尽くした友たちなら、ランキングもお見通しであろうかと。
ではいざ。

◆キャンディ・キャンディ(いがらしゆみこ・水木杏子)
◆はいからさんが通る(大和和紀)
◆生徒諸君!(庄司陽子)
◆エースをねらえ!(山本鈴美香)
◆笑う大天使(川原泉)
◆ぼくの地球を守って(日渡早紀)
◆有閑倶楽部(一条ゆかり)
◆オルフェウスの窓(池田理代子)
◆動物のお医者さん(佐々木倫子)
◆スケバン刑事(和田慎二)
◆イティハーサ(水樹和佳子)
◆エイリアン通り(成田美名子)
◆ボクの初体験(弓月光)
◆夏目友人帳(緑川ゆき)
◆風と木の詩(竹宮恵子)
◆星の瞳のシルエット(柊あおい)
◆ライフ(すえのぶけいこ)
◆スイート☆ミッション(藤井明美)
◆だからパパには敵わない(遠藤淑子)



威勢のいいこと言っておきながらなんですが、20作を挙げる、というのは結構たいへんな作業ですよね(みなさんも実際にやってみてください)。
なんせ【とにかくまずはこれくらい押さえておくべき】という括りなので。
“少女漫画”をどう捉えているか、でも挙がる作品群というのは変わってくるでしょうし。
わたしの場合は【少女誌】に掲載されていた、というだけの括りにしてます。
だから弓月先生なんて、今じゃ青年誌でエッチな作品ばっかり描いてるから、それしか知らないひとは
「ゲッ」
となる名前でしょうが、この方、デビューは【りぼん】なんだよー、ということで入ってます。
実際『ボク初(週刊マーガレット連載)』は面白かったし!!
なので『スケバン刑事』も
内容的に
「どこが少女漫画やねん」
という部分が多いわけですが、漫画ばかり読んでるとバカになる、と言われていた時代に、そんなことない、ちゃんと社会的なことも勉強できるんだよ! ということを訴えることができた作品のはしり、という殊勲で入れました(『ツーリングシリーズ』とどっちにしようか悩んだです)。

わたしは好みにすごく偏りのある人間で、漫画に於いてもそれは発揮されていて、まずそれは“絵”から始まったりしてます。
だから、あの人気作品がなぜ入っていないの? とおもわれた場合は、まずはその作品を読んでおらず、その理由には
「絵が苦手」
がある、とおもってください。
読んでないのに【まずは押さえておくべき】と言うわけには参りませんので。


で、次。
【「女性の描くSF漫画」でこの10人はいかが】

こっちもかなり難しいお題であります。
はたして10人、挙げられるであろうか? という「そもそも」な話にもなりかねないわけですが、参りましょうか。

◆竹宮恵子……『地球(テラ)へ…』
◆水樹和佳子……『イティハーサ』
◆日渡早紀……『記憶鮮明』
◆遠藤淑子……『ヘヴン』
◆川原泉……『アンドロイドはミスティーブルーの夢を見るか?』
◆萩尾望都……『スターレッド』
◆神坂智子……『シルクロード』シリーズ



……あかーん、やっぱり10人も挙げられなかったよ。はうぅぅぅ……。
山田ミネコ先生とかの作品、読んだことないんだよ、わたし。
だから挙げたくても挙げられなくて。
すいません。

てか、やっぱりわたし個人的には“女性漫画家が描くSF”というと、どうしても竹宮先生の『地球(テラ)へ…』なんですよねー。
なんせわたし、マンガ少年刊行の、別冊版(カラーページがあるやつ)、持ってんだー(自慢)。へへへっ。
いやいや、自慢だけじゃなくて、わたしはこのカラーページで見た宇宙空間と地球の素晴らしさに感動して、なんとか自身でも描きたい! とおもい、カラーインクやエアブラシを買ってもらったり買ったりして、勉強したのです!
そういう意味でも、忘れられない作品なのですね。
映画はいろんな意味でべっくらこきましたけれども。

日渡早紀作品に関しては『ボクたま』を挙げるべきなのかもしらんのですが、あれのおおもとはこちらの作品なので、敢えて『記憶鮮明』のほうを選びました。
ページの構成も、映画っぽくしようとしていて(ラストにはエンドロールみたいなコマ割りがあった)、かなり凝っていたのも、それこそ記憶鮮明です。

カーラ教授の作品は『ブレーメン』発祥の読みきりです。
天才的パイロットのキラ・ナルセのデビューはこの作品ですよー。

神坂さんの『シルクロード』シリーズは、凄く神秘的で、時々当時のわたしには難しい部分もあったんだけど、いちばん印象に残っているのは、実際に楼蘭だかどこかで発見された少女のミイラのことをモチーフに描いた話。
これには、ほんとに感動しました。

遠藤作品はこれ。
あまりSFを描かない作家さんですが、これは短編連作の一冊。
世界観としては『未来少年コナン』に近いです。
セリフの随所に“遠藤節”が効いていて、読んでいて,ずーんときます。

『スターレッド』。実は萩尾御大の作品は、わたしはこれしか読んだことありません。
ありませんが、ハヤカワSF文庫っぽい物語で、いまでも忘れずにいることができている名作だとおもいます。




わたしが挙げられるのは上記の作品だけなんですけど、このよには他にもたくさん素晴らしい作品があります。
それはリンク元のエントリを読んで頂ければわかります。
わたしも今後、マンガ喫茶などに行った折には、それらを探し出して読んでみたいですね。
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あの頃のNHK。
ブクマもしましたがこの記事を読んでえらく懐かしい気持ちにさせられましたよ。
小学生だったわたしが、初めて第1話から最終話まで、ちゃんと全部見た大河ドラマでしたから。
まだ鎌倉幕府の詳しいこととかは勉強してない(してたのか? 単に覚えてないだけ?)し、歴史ファンでもなかったから、単純に物語が面白くて見続けられたドラマ、ということになります。
いま思い返すと、なにがそんなに面白かったのだろう、と首をかしげますが、当時のわたしは何かを感じたのでありましょうな。

しかしまあ、ブクマのコメントにもありましたが、NHKは、かなりの費用をかけて作ったドラマのVTRを保存してなかったんかい! とツッコミたくなる現状ですのね。
まだ他にも探してるとは。
んで、その作品のなかに『プリンプリン物語』まであるなんて!!

ちょっとーーー! あの名作のVTRをとっておかないってどーゆーことやねん!!

『プリンプリン』の人気は凄かったんだぞー、当時。
わたしの通っていた中学に限れば視聴率は70%は超えていたはず。なんせクラスの大半は見ていたんだから。
なのでみんなして『オサラムームー国歌』とか『アクタ共和国国歌』とか歌った。わたしは『世界お金持ち倶楽部』の歌がだいすきだった(今でも歌えるぞ)!
そんでルチ将軍の決め台詞
「わたしの知能指数は1300!」
というのを物真似したり、なにか言われるとモンキーの
「ウッキー!」
でかえしてみたり
「予感です、予感がします」
などと火星人ごっこしてみたりしていた。
結局のとこ、プリンプリンの出生の秘密があきらかにされたのか否か、に関しては記憶がないのだが、とにかくこの作品はそれほど輝かしい思い出を持つ、名作なのだッ!

それを……それを……保存してないとは何事だぁぁああああああ!!

はっ。
ちょっ……まさかNHKさん?
『プリンプリン』だけじゃなく、それ以前の人形劇、♪ひゃらーりひゃらりこ ひゃりーこひゃられーろ♪の『笛吹き童子』や、♪とべーとべー、はばたけ紅孔雀ー♪の『紅孔雀』(「ガタルーペ!」 「コテモク!」も印象深い)や、「我こそは玉梓の怨霊〜(ヒュードロドロ)」の『里美八犬伝』も保存してない、とか……言わないでしょうね??

やめてくださいよ、頼みます。
いま挙げた作品群は、わたしが子ども時代に大いに楽しませてもらった、たいせつな物語たちなんですよ。
21世紀から見たらすでに【古典】の域に入るお話もあるけれど、やはり名作は名作。
やたらハデで戦闘シーンが多くて、メカやグッズが先行のいまの子ども向け番組とは違う、純粋に物語として面白かったあの頃の番組を、後世に残せない、なんてことは絶対にしないで欲しいです。

だからどうか、ちゃんと番組を見つけて、保管してください。

でなきゃ受信料、払わないよ。
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メイプル・シロップ。

おそらくは『大きな森』より『大草原』のほうが一般的には知れてるとおもいますが、わたしはこの『大きな森』のお話がだいすきです。
特に、食べものや遊びや洋服(布地)の描写が実に生き生きとしていて、目の前に広がるかのように伝わってくるので、そういう部分は何度も読み返して、諳んじてしまったほどです。

自給自足の時代ですから、鹿や熊や豚を狩猟してきたり、または飼育していたりして、それを食べるのですが、とても美味しそうな文章なのです。
鹿も熊も食べたことはありませんし、実際に出されてもおそらく食べられない(苦手)とおもうのですが、この本を読む限りは、たいへんに美味しそう。

なかでも、豚を1頭、屠殺して解体するまでの場面には、現代では有り得ないことがたくさん描かれます。
まず、豚を殺すのは男衆の役目です。
主人公であり書き手でもあるローラは、殺されるまでの豚の悲鳴を聞きたくなくて、ベッドにもぐりこみ、耳をぎゅっと塞いでいます。
そして頃合を見計らって外に出ると、豚は女衆が沸かした熱湯でゆでられ、毛をそがれ始めているわけです。
ここからの作業をローラは嬉々として見つめます。
このへんの切り替えの早さというか逞しさは、この時代の子ならでは、という感じです。

わたしの印象に強く残っているのは、ローラも、姉のメアリーも楽しみに待っている“豚の尻尾の丸焼き”と“膀胱の風船”です。
“豚の尻尾の丸焼き”は文字どおり、切り落とした豚の尻尾に金属の棒を刺して火で焼くもの。
ふたりはこれが大好物で、いい具合に焼けるのを今か今かと待っているのですが、ここのくだりを読んでいると、いいにおいがしてくる感じなのです。

そして“膀胱の風船”。
これは驚いて印象に残っているシーンです。
大人たちは、解体した豚の膀胱をきれいに洗ってから息で膨らませ、先端を結んでローラたちにくれます。
ふたりはそれを使ってバレーボール遊びをするのです。
つまり、紙風船の感覚ですね。
これには一種のカルチャーショックを受けました。
オモチャ、がほとんど無い時代のお子たちは、こういうもので遊んだんだ! という。
なので、強烈に記憶に刻まれてしまったのでした。


他にもバターやチーズ作りの描写もあって、それもなかなかに楽しそうなのですが、わたしがもっとも羨ましかったのが、メイプル・シロップを使ったキャンディ作り、でした。
楓の木から染み出る樹液を集めてシロップ状にしたものを、まっさらな雪の上に垂らして固めて作る、ローラをはじめとして、子どもたちのだいすきな冬の行事。
そりゃ、そうでしょう。
トロトロとしたシロップを、すきなカタチのキャンディにして、それを食べられるんですから!
もちろん、わたしもやってみたくて仕方なかったです。
だってわたし、メイプル・シロップがだいすきなのですもの! ハチミツよりも断然! なのです。
だからもう、ここのシーンを読むとたまりませんのです(今、書いててもヨダレが……)。



で。
なぜ突然にこの本の話が出てきたか、と申しますと、昨日の朝、わたしはホットケーキを食べようとしていたのですが、大ボケなことにメイプル・シロップを買うのを忘れていまして
「がーん! メイプル・シロップが無いとホットケーキじゃないじゃんかよー!」
という、大きな独り言(ひとり暮らしが長いとどうしてもそうなるのですよ)から、脳内で記憶の連鎖反応が起こり、このエントリへと繋がったのでした。
脈絡が、あるような、無いような。


お子たちに、時間のあるときに読んで貰いたい一冊です。



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ユングフェルンの街に。
評価:
竹宮 惠子,増山 法恵
マガジンハウス
¥ 1,260
(2007-08-06)

評価:
竹宮 惠子,増山 法恵
マガジンハウス
¥ 1,260
(2007-08-06)


たとえば『のだめ』でクラシックがすきになったひとがいるように、わたしはこの作品で、よりクラシックを身近に感じられるようになったわけです。

そうかぁ。
ノベライゼーションで復活かぁ。しかも未完だったニーノとアレンの物語も完結される……と。
うーむ。
本音を申せば、完結の作業は原作者のお恵さんにやって頂きたかったのですが、たぶんそこには様々な事情があるのでしょうな。
(しかしスマといい、ファンの要望を無視できる“事情”てのはいったいなんなんだ)
やいのこんですな。


わたしはこの作品を読んで、真剣にバイオリンが習いたくなったものです。
で、オヤに
「習いたいんだよぅ〜、バイオリン習いたいのぉ〜」
精一杯可愛くおねだりしてみたのですが、その反応たるや
「ウチにはそんなお金ない!」
にべもない、けんもほろろ、という語句の標本みたいなものでした。
まあ、仕方ないっちゃあ仕方ないんですよね。
クラシック音楽の関連のものを習うのには途方も無いおゼゼが必要である、わけですから。
当時のわたしはそういう現実を知らなかったので(だって子供だもん)、言うことを聞いてくれないオヤを、結構恨めしくおもったものです。

そんな我が家の貧乏エピソードなんぞはどーでもよいのでした。

わたしが驚くのは『地球(テラ)へ…』のアニメ化といい、この『変奏曲』のノベライズといい、なぜいま、お恵さん作品がこうもふゅーちゃーされているのか、ということです。
ほんと、なんでだろ?
ファンとしては嬉しいのですが、だったらもっと昔からしてくれてもいいのに、というきもちも偽りではありません。

とりあえずこのノベライズ、読んでみるとして。



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幾度でも読み返す。
イティハーサ (1)
イティハーサ (1)
水樹 和佳子

たぶん誰もがそうだとおもうが、すきな作品は何度でも読み返す。

この作品もそのなかのひとつで、邪馬台国のエントリを書いてたら無性に読みたくなって、土曜の夜から一気に全巻、読んでしまった。

そしてぐったり。

この物語を読み終えるといつもそうだ。
たんなる読み疲れではなく、もっと精神的な部分でぐったりする。
テーマがあまりにも壮大で、ワタシの脳のキャパ容量を凌駕しているからだ。

我々(日本人)はどこから来たのか?
ヒトとはいかなる存在なのか?


うおー。
あまりにもスケールがでかいぞー。

そういう作品なので、読み返すたびに違う感銘を受けるわけだ。
あるときは非常に宗教的な、またあるときは哲学的な、そして人類愛的な。
というか、きっとわたしはまだこの作品を完全には読解できていないのだとおもう。
あと何度読めば、作者の水樹さんの言わんとしていることを把握できるのかなあ。

“情報は離散する”
“人類は進化する反調和”

このへん、まだまだわたしにはヨウワカラン。
今後も折に触れて読み返し、いつか『イティ』を完全に理解するのだー。
えいえい、おー。



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エンピツだったのか!


アニオタだったわたしは、アニメーターになりたくてなりたくて、その本気度は某アニメの専門学校に体験入学するくらいだったのだけども、“食っていけるか否か”というシビアな現実問題のために若干の行き先変更を余儀なくされた。
でもこの方は永遠に“目標とする人”だ。


アニメの原画(動画)を描く人はたいていそうだが、とにかく線が美しくて、特に安彦さんの線は独特のタッチを持っている。
わたしはこのタッチに少しでも近づきたくて、必死に模写したのであるが、ぜんぜんダメであった。

安彦さんの特徴と言えばカラー画であり、それはどちらかというと絵画のような重厚さを持っている。
たぶん多くのひとが目にしたであろう、ガンダムのカラー画を思い出してもらえればわかるとおもう。
あきらかにマンガ誌に載るカラーページとは違うのだ。

安彦さんのカラー画には(ほとんど)輪郭線がない。

色の濃淡――つまりは陰影でもって、すべてのものの質感を表現しているのだ。
それはメカの細部から人物の肌にいたるまで徹底していて、ここにこんな色を! というべっくらこくような着色も施されているわけで、そのへんも、まさに絵画のイメージなのであった。

いったいどんなふうに下描きをして着色しているのか。

それが常々のわたしの疑問であったが今日、初めて原画を見てわかった。



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カーラ・イズミール教授に捧ぐ。


ようやく映画版『笑う大天使(ミカエル)』の公開時期が決まったのだ!
(あくまでも“時期”であって“日時”ではないところがミソ)
今年の夏かぁ。ふむふむ。
単館系のようだから、情報収集を怠ると見逃す恐れがあるな。
気をつけよう(ということで公式サイトをリンクしただ)。

思えば作者の川原泉――別名カーラ教授の作品とも付き合いは長いなぁ。
ものすごく独特なペンタッチの初期作品『悪魔を知る者』で受けたキョーレツなインパクトは、未だに忘れられないなあ。
加えてその内容の特異さにもダブルで衝撃!
一気にファンになってしまったものだわ。

このひとが、なぜ“教授”と称されるかというと、作品に哲学的な空気が漂っているからなのだ。
あまり構成に凝るタイプの作家さんではないので、見た目はあっさりとした画面なのだが、登場人物のモノローグやセリフやナレーション的な解説部分が、ものすごく深ぁ〜いことを語っているのだ。
ゆえに読み手が、それこそ“行間を読む”ような解読力を要求されたりもする。
まさに“教えを授けて”くれる漫画家、というワケなのだ。

わたしが
「この人(教授のこと)、ほんとに凄いわ!」
と感嘆したのは、今回映画になった『笑う大天使(ミカエル)』本誌(【花とゆめ】)の連載初回。
主人公のひとりである更科柚子(さらしなゆずこ)の家が、町の食堂から大手外食チェーンにまで登りつめて行った過程で、豪邸に引っ越した庶民一家はだだっ広いダイニングルームに馴染めず、その隅に今まで愛用してきたちゃぶ台を置いてご飯を食べているシーン。
画像をアップできないのが非常に残念なのだが、とにかくなんともいえない、象徴的なシーンなのである。
その感覚に、わたしは度肝を抜かれたことであったよ。


教授の作品、『笑う大天使』ももちろん面白いが、わたし個人がひとに薦めるとしたら
『美貌の果実』(同名コミック刊)
『中国の壺』(同名コミック刊)
『殿様は空のお城に住んでいる』(上記コミック収録)
『フロイト1/2』(同名コミック刊)
『バビロンまで何マイル?』(文庫版にて完結)
になるかな〜。
いやほんとは全部読んで欲しいんだけども。

今回の映画は、原作ファンからすると
「ちょっと待ったぁああ!」
とエガちゃん張りに物申すことは多々あるのだが、それはそれで置いといて、教授の世界観が、どんなように映像化されたか、じっくり鑑賞しようと思っているのだ。





※新しいカテゴリ『名作探訪』をこさえてみたので、これからどんどんオタク全開で語りまする。
次回は教授と同じくらい哲学的な作品の多い遠藤淑子さんを語りたいと思うちょります。よろしこです。

川原泉と遠藤淑子。
このふたりが連載していた頃の【花とゆめ】が全盛期であった。

こんなようなことを書いていたブログを、以前サーフィン中に読んだのだが、まったくもってそのとおりだと思ったよ。
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「文句があるならベルサイユへいらっしゃい」
今更ちゃんと『ベルばら』読んでます。
“ちゃんと”というところがミソで、さらーっとは読んだことがあったわけですが、じっくりと腰をすえて読むのは初めてです。

やっぱすげー。
名作の、名作たるゆえんがわかるぜーー。

で。
それこそ、なぜ今更か、というと『ベルばらKids』がきっかけでありまして。
ご存知のかたはご存知の、朝日新聞土曜版【be】に連載されている、池田先生ご自身が描いている『ベルばら』の三頭身キャラの4コママンガっす。
んで、んで。
こんど、そのサイト(ブログ)ができたそーで、おめでとうこざいます。

コチラ>>>
テンプレの背景イラスト、これもみな、池田先生のものですー。
可愛いのかどうなのか、この微妙なところがいいです。

この4コマ、オリジナルを読んでいないとわからないネタもあったりするので、なので読んでおこうと、思った次第であります。
しかも実にタイムリーヒットで、いま愛蔵版が出てるんですよねー。
なのでそれが出るたびに……。
ふっふっふ。

というわけで、タイトルに用いた有名なセリフも、初めてどこで使われたものかを、ようやく知ったんでコザイマスよーーー。
ほほほのほー。

このブログをリストに加えておきまするぞ。

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ソルジャー・ブルー!
だいすきなサイトのひとつで、この作品を取りあげてくれていたのでわたしも便乗することにしたことですっ。



懐かしさのあまり、むせび泣いてしまったわッ!!
なんでもこの画像の仕様本は貴重らしいですよ。
わたしは持っている……いた……(どうしよう、持ってる! と断言できない)いや、どこかにしまってあるハズ。
『アンドロメダ〜』は泣く泣く捨てたけど、『地球へ……』は残しておこう! とたいせつに保管した記憶が。
こんど探そう。

作者の竹宮先生といえば『風と木の詩』のほうが有名なんだけど、わたしは実はこっちのほうが名作だと思うちょりまする。

すんごいスケールのデカイ、物語なのだよ。
それでいて、色々考えさせられるメッセージが随所に散りばめられている、ある種啓蒙的な部分もあったりするのだ(地球をたいせつにしよう! みたいな)。
なにより驚くのが、これを20年以上前に、女性の漫画家が描き上げた、ということ。
いまならパソコンやらなんやらで、宇宙空間や宇宙船(メカ類)や未来都市を描くのも、そうは苦労しないと思うけど、竹宮先生はそういうものが一切無い時代に、これを描いたのだ!
特にカラー原稿の素晴らしさには瞠目である。
わたしはこれに影響されて、カラーインクを駆使した宇宙空間の描き方を猛勉強したものだよ。

そんなことはどうでもいいとして。

この作品はアニメ(映画)にもなったからご存知の方は多いと思うのですが、さすがに原作まで読破した方は多くないのではないだろうか?

もちろん、映画も観たことさ。
画(え)は、決して洗練されたものではなかったけど、この長い長い物語を、とても上手に二時間余りにまとめてあったと思う。
声優陣も当時としては画期的な、プロの声優ではなく、俳優(女優)をメインキャストに据えていたのが印象的だった。
なんたってあーた、故・沖雅也氏が出てるンです! それも、かなり重要なキャストで!
そういう意味でも、凄い作品でやんす。
……ビデオ、出てるみたいだけど、棚にあるの見たこと無いな……。

ストーリーの導入部分はコチラ>>>でどうぞ。

ねんのためですが、タイトルは“地球”と書いて“テラ”と読みます。

まえにもちょっとカミングアウトしましたけどー、わたしはアニメファンでしたのでー。
このテの話題がどこかにあって、見つけたりすると、目の色が変わってしまうのでありんす。

すんません。


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