カーラ・イズミール教授に捧ぐ。


ようやく映画版『笑う大天使(ミカエル)』の公開時期が決まったのだ!
(あくまでも“時期”であって“日時”ではないところがミソ)
今年の夏かぁ。ふむふむ。
単館系のようだから、情報収集を怠ると見逃す恐れがあるな。
気をつけよう(ということで公式サイトをリンクしただ)。

思えば作者の川原泉――別名カーラ教授の作品とも付き合いは長いなぁ。
ものすごく独特なペンタッチの初期作品『悪魔を知る者』で受けたキョーレツなインパクトは、未だに忘れられないなあ。
加えてその内容の特異さにもダブルで衝撃!
一気にファンになってしまったものだわ。

このひとが、なぜ“教授”と称されるかというと、作品に哲学的な空気が漂っているからなのだ。
あまり構成に凝るタイプの作家さんではないので、見た目はあっさりとした画面なのだが、登場人物のモノローグやセリフやナレーション的な解説部分が、ものすごく深ぁ〜いことを語っているのだ。
ゆえに読み手が、それこそ“行間を読む”ような解読力を要求されたりもする。
まさに“教えを授けて”くれる漫画家、というワケなのだ。

わたしが
「この人(教授のこと)、ほんとに凄いわ!」
と感嘆したのは、今回映画になった『笑う大天使(ミカエル)』本誌(【花とゆめ】)の連載初回。
主人公のひとりである更科柚子(さらしなゆずこ)の家が、町の食堂から大手外食チェーンにまで登りつめて行った過程で、豪邸に引っ越した庶民一家はだだっ広いダイニングルームに馴染めず、その隅に今まで愛用してきたちゃぶ台を置いてご飯を食べているシーン。
画像をアップできないのが非常に残念なのだが、とにかくなんともいえない、象徴的なシーンなのである。
その感覚に、わたしは度肝を抜かれたことであったよ。


教授の作品、『笑う大天使』ももちろん面白いが、わたし個人がひとに薦めるとしたら
『美貌の果実』(同名コミック刊)
『中国の壺』(同名コミック刊)
『殿様は空のお城に住んでいる』(上記コミック収録)
『フロイト1/2』(同名コミック刊)
『バビロンまで何マイル?』(文庫版にて完結)
になるかな〜。
いやほんとは全部読んで欲しいんだけども。

今回の映画は、原作ファンからすると
「ちょっと待ったぁああ!」
とエガちゃん張りに物申すことは多々あるのだが、それはそれで置いといて、教授の世界観が、どんなように映像化されたか、じっくり鑑賞しようと思っているのだ。





※新しいカテゴリ『名作探訪』をこさえてみたので、これからどんどんオタク全開で語りまする。
次回は教授と同じくらい哲学的な作品の多い遠藤淑子さんを語りたいと思うちょります。よろしこです。

川原泉と遠藤淑子。
このふたりが連載していた頃の【花とゆめ】が全盛期であった。

こんなようなことを書いていたブログを、以前サーフィン中に読んだのだが、まったくもってそのとおりだと思ったよ。
名作探訪 comments(5) trackbacks(0)
Comment








>ウィッシュ・ボーン様
わぁ〜い。
川原さん好きも同じで嬉しいです。
『笑う〜』の番外編では、おハルさんの物語がやはり心にずんときますね。

映画、とりあえず、心を無にして観ようと思っています。
from. 夏葉 | 2006/04/16 00:05 |
今晩は。
川原泉、大好きです。
お薦めのマンガも、全部読んでいます。
猫を被っている少女達の絵、かなり素敵でした。(笑)
「笑う大天使」の続編、彼女達のその後の様子に、作者の愛情を感じて、嬉しかった覚えがあります。

映画化ですか?
私も、ちょっと、微妙かな?(笑)
from. ウィッシュ・ボーン | 2006/04/12 23:47 |
>かひろ様
このような辺境の地をよく訪れてくださいました。
そしてご賛同、ありがとうございます。
川原さん、遠藤さん、ハマるとほんとに離れられませんよね。何度も読み返してしまうほど。
わたしもいまの本誌は買っていません。あんなに『花ゆめ』っ子だったのに(笑)。やっぱりこのふたりや佐々木倫子さんが描き、『パタリロ!』『ぼくタマ』連載中がよかったですよね。

>acoyo姐様
姐様のサイトのサイドバーに、川原さんの本が表示されていたので、ファンであるだろうことは察しておりました。
映画化、反対ですか。
わたしの本音は微妙で、反対に近いかな? なんですが、監督さんがどんなふうに解釈したのかな、というような興味もあるんです。
食事の擬音は「もぎゅ、もぎゅ」なのか? とか、川原さんのツッコミのような説明文はどうなるの? とか。
でもあの制服と“史緒さんの食べているもの”の変更はいただけない……(公式サイト参)。

三原順さんもお好きですか?
やはり『はみだしっ子』?

from. 夏葉 | 2006/04/11 15:57 |
ううん、困った(藁)。
そんな話があることさえ知らなかったけど、映画化は困った。今の邦画界に、あのソフスティケイテッドされたダイアログを撮れる監督が居るとは思えなくて。
川原泉は、わたくしが一方的に「他人と思えない」と見なしている作家でして、長い付き合いです。彼女が三原順を大好きだったと書いてるのを読んで、やっぱりなとほくそ笑んだこともあります。
だからやっぱり、やだ、映画化(藁)。
from. acoyo | 2006/04/11 10:55 |
その通り!!と思わず叫んでしまうような言葉に共感し、つい賛成の手を挙げるべく書き込みしました。
川原さんも遠藤さんも絵柄から好き嫌いの分かれる方々ではありましたが、ハマるとめちゃ深い方々でしたね。
お二人が中心的にどんどん書いている時の花ゆめが一番楽しかったです。
あれからもう10年以上たちついに私は今の花ゆめ連載作品を一作も知らないようになってしまったのであくまで個人的な判断ですが・・・。
笑うミカエル連載時、丁度高校生だった私は友人たちに背中の猫(私も大きな猫を飼ってたもので 笑)をよく褒められたものでした。
from. かひろ | 2006/04/09 21:51 |
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