エンピツだったのか!


アニオタだったわたしは、アニメーターになりたくてなりたくて、その本気度は某アニメの専門学校に体験入学するくらいだったのだけども、“食っていけるか否か”というシビアな現実問題のために若干の行き先変更を余儀なくされた。
でもこの方は永遠に“目標とする人”だ。


アニメの原画(動画)を描く人はたいていそうだが、とにかく線が美しくて、特に安彦さんの線は独特のタッチを持っている。
わたしはこのタッチに少しでも近づきたくて、必死に模写したのであるが、ぜんぜんダメであった。

安彦さんの特徴と言えばカラー画であり、それはどちらかというと絵画のような重厚さを持っている。
たぶん多くのひとが目にしたであろう、ガンダムのカラー画を思い出してもらえればわかるとおもう。
あきらかにマンガ誌に載るカラーページとは違うのだ。

安彦さんのカラー画には(ほとんど)輪郭線がない。

色の濃淡――つまりは陰影でもって、すべてのものの質感を表現しているのだ。
それはメカの細部から人物の肌にいたるまで徹底していて、ここにこんな色を! というべっくらこくような着色も施されているわけで、そのへんも、まさに絵画のイメージなのであった。

いったいどんなふうに下描きをして着色しているのか。

それが常々のわたしの疑問であったが今日、初めて原画を見てわかった。




安彦さんの下描きは、エンピツのまんまなのである。
原画にはその線が残っていて、それはまさに、普通のカラーイラストに見られる輪郭線の意味を成していた。
ただ、安彦さん独自の筆運びで、それらが塗り消されているだけのはなし、なのであった。
というか、ペンの代わりにエンピツを使っている、という感じであった。
っつーことは、その前の、ほんとの下描き(漫画でペン入れする前の)は、いったいどうしているのであろうか。
新たなナゾである。
やはりタダモノではない(ますます尊敬)。



展示されている原画は、持っている画集に収録されているものや、むかし部屋に張っていたポスターや、愛読書の表紙・挿絵のものが、やはり泣きそうになるほど嬉しかった。
『ライディーン』や『コンV』、『ザンボット』、『クラッシャージョウ』、『ダーティペア』は印刷物でしか見ていなかったので、展示パネルのガラス面にハナが付くほど近づいて、しばしひとりじめして、見た。
シアワセであった。


美術館入り口前のエントランスで、安彦さんのインタビュー映像が流れていた。
ちょっとびっくりするほど、お年を召されていた。
でも、決してカメラ目線にしないところは変わってなかった。

どうか、いつまでもご健勝でいてください。
そして今後も素晴らしい作品を、世に送り出してください。
ありがとう。
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Comment








>マダム様
おお、なんと!
ガンダム、お好きだったんですね!!
しかも映画もご覧になったとわ!!!!(3作すべて?)

ガンダム好きの友人が『記録全集』を持っていたのですが、いま思うと凄いレアな本でした。わたしも買えばよかったと後悔しています。

from. 夏葉 | 2006/08/30 21:52 |
夏葉さま、何を隠そう、私はガムダム大好きでテレビは無論ビデオ撮りをしていましたし、映画は興味が無い娘を無理矢理連れて観に行きました(ダシとして)

アニメ世代ではないので、ここが限界(苦笑)

少女マンガは数年前まで、かなりの金額をつぎ込んでましたわ。ナントカ禁系の物も好きでしたわ・・・今も(照)

八王子、良い所ですね。でも、都内より1〜2℃低く雪も積もるらしい(゚_゚;)
from. マダム | 2006/08/26 21:47 |
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