Love&Peace.


「ライブ前には行かないほうがいいですよ」
そう言う高校教師のアル友さんの忠告があったんだけど、帰京の日にはとても見に来る時間がないので、ええいままよ、と寄りました。
以前来たときには休館(ガイドブックには年中無休、て書いてあったのに。元日だけは休みなのだな)で入れなかったから、12年越しのリベンジですよ。


そもそもこの街はわたしにとって

ふたりのイーダ (児童文学創作シリーズ)
ふたりのイーダ (児童文学創作シリーズ)
松谷 みよ子

を読んだ子どもの頃以来の聖地に近いところ。
記念資料館は、ぜったいに見ておかないとならない施設でもあったわけです。

閉館時間が迫っていたため、駆け足の見学だったけれど、でも入れてよかった。
今まで『イーダ』の物語のなかだけだった世界が、やっと目の前に具現化され、改めて『イーダ』の登場人物・りつ子(被爆者)のきもちや、主人公・直樹の祖母たちの昔語りがひしひしと迫ってきて、何度も涙があふれました。

戦争の悲惨さや愚かさを伝えるモノはたくさんあって、映画やマンガでそれらに触れてももちろん構わないのだけれど、わたしはこの国のひとは、必ずここへ来るべきなんじゃないか、そう感じました。
つくりものではない、あの日のこの街のどこかに存在したモノたちの、物言わぬカタチは、どんな言葉や映像よりも真実です。
8時15分で止まった時計や、ボロボロの衣服、黒い雨の筋を残した壁などはそこに在るだけで、半分酔っ払ってんじゃねぇのか、とおもわれるオッサンの集団すら、沈黙させるのです。

そしてわたしがおもったのは、人類は時にこんなことをしてしまう愚かさを持っている反面、たとえ焼け野原と化した土地でも、しぶとく立ち直る生命力の強さを持った種なのだな、ということです。
展示順路の最後のほうに、被爆何ヵ月後かのヒロシマの地に咲いた一輪の花の写真がありましたが、それはとても救われる一枚でした。
植物の生命力の強さと同じものを、人類も持っている――この写真のおかげでわたしはきもちの切り替えができて、そのあとのライブにも普通に参加することができました。


またこの資料館には、ゆっくり時間を割いて来たいです。


【平和の鐘】
『イーダ』中、りつ子が直樹を連れてとうろう流しの催しにでかけ、そこでこの鐘をつく。

そこに慰霊碑があった。古代の墓か、家なのか、そうしたすがたを思わせる。ふしぎなかたちの碑がえがく弓なりのシルエットの中に、ドームがくっきりとはめこまれてうかんで見える。人々はその前に花をそなえ、線香をそなえ、かしらをたれていのった。下におさめられた墓石のような碑には
『安らかにねむってください。 あやまちはくりかえしませぬから』
とほってあるという。
『ふたりのイーダ』本文より抜粋

のシーンの再現(小さすぎて見えないが、中央には平和の火も燃えている)。
合掌せずにおれない。
時事刻々刻々 comments(0) trackbacks(0)
Comment








Trackback
この記事のトラックバックURL: http://hikigiwa.setogiwa-anex.coolblog.jp/trackback/5094
<< NEW | TOP | OLD>>