史上最低のヒロイン。
タイトルのわりにはカテゴリが『名作探訪』ってのもなんなんだが、いろんな意味で“名作”ということで。
でもって、この作品をとりあげて、“史上最低のヒロイン”と銘打ったからには、当時のアニメファンの女性には即、ピンとくるであろう。

それは誰あろう、リン・ミンメイである。

かつて、これだけファンに嫌われたキャラクターが存在しただろうか。
いや、居ない←お約束。
ウィキによると
性格が良く可愛いという従来の「都合の良いヒロイン」へのアンチテーゼとして、多少性格の悪い部分もある、全員に好かれなくてもいいキャラクターとしてミンメイを設定した。アニメファンの理想像よりも等身大に近い現実的な少女像を優先した描写から、当時の視聴者はビジュアルと性格のギャップに戸惑い、人類の存亡をかけた宇宙大戦への無邪気すぎる態度から「わがまま」、「ぶりっ子」という反感を憶える者も少なくなかった(当時の『アニメージュ』誌上の読者投票企画で「嫌いなキャラクター1位」に選ばれもした)。

だそうだが、だからと言って、あそこまで徹底せんでもよかろう、というほどの性悪女(言い切っている)であったリン・ミンメイ。
わたしもご他聞に漏れずヘビのごとく嫌いであったが、どこがそんなに嫌いであったか、と問われれば、実は彼女の性格(設定)よりも、その本質に気づかない主人公・一条ヒカルのマヌケさ加減にイラだっていたのではないか、と、30年近く経た今、おもうのである。
ぶっちゃけ、ちょっとカワイイだけで、性格が悪いのに、なんで男子は気づかないであの子をチヤホヤしてんのさ! という現実のイライラ感をミンメイにぶつけていたような気がする。
しかも“ちょっとカワイイ”の“ちょっと”はホントに“ちょっと”で、あれだったらアタシの友だちのT子のほうがもっとカワイイのに! とかいうリアル感も手伝って、放送時にミンメイが
「キャハッ」
とやるたび
(コロス……!)
のような殺意に近い憎悪をテレビの前で募らせ、でんでん虫ヘアの未沙さんのほうがずっとイイ女じゃないか、ヒカルのぼんくら!
てな具合に。

まあ、若さゆえ、ということにしたい部分もあるが、この歳になった今でも、周囲の男性陣が、各テレビ局のお天気キャスターや新人女子アナを
「カワイイ」、「カワイイ」
言ってるのを耳にすると、当時の苛立ちの気もちを、なぜかおもいだしたりするので、このての感覚は永遠に埋まらない男女の溝なのであろう、と、悟ったようなことをおもったりもしている。


『マクロス』の作品そのそもの、としては、よくもまぁ、あんな駄作(こっちも言い切る)がここまでウケて、脈々とシリーズが続いてきたことよ、と感心する。
だって、あんなに動かないアニメ、この作品以外にあたしゃ見たこと無いよ。
絵は雑で、動きも雑で、話も雑。
なのになんでか、最終回まで見続けてしまったのはなぜだろう。
そしてこんなに記憶に残っているのもなぜだろう。

例えばそれまで発射されるミサイルの軌道は直線で描かれていたのが、この作品から曲線で描かれるようになったりとか、ミサイルのバリアがピンポイントだったりとか、なんというか通(つう)が喜びそうな試みが成されたことは
これらの若いスタッフは作品に「自分達が観たいものを作る」という実験的な方向性を持ち込み、結果的に視聴者層と世代感覚を共有することになった。

という成功した部分であろうし
一話を通してまったく主人公が出撃しない、戦闘シーンがまったくないといった回も珍しくないなど、戦争もののアニメとしては異色の存在だった。これは当時のリアルロボットものに目立つ「戦争の過酷さ」や「政治劇」などのシリアスな描写を避け、主人公の輝とミンメイ、未沙の三角関係という恋愛ドラマを軸に、戦時下で営まれる市民社会の活力を描くという意識的な演出だった。この路線において「文化」というキーワードが、物語を収束する意味を持つことになる。

というのも、斬新で、今までとは違った作品であったことは間違いない。
しかもこれ以降、世界観を理解できない視聴者は見ないでくれて結構、的な作品が増えてきたような気がしているので、いわばアニメ界の“ダウンタウン”であったのではないか(なんという喩え)ともおもう。
結果、ロボットアニメはお子さま向け、からディープなファン向けへと変貌し、放送時間も昼間や夕方から深夜帯へと移り、完全にマニアのものになってしまったとおもう。

それがよかったのか悪かったのか、は、わたしには判断できない。
ただ、こんなに視聴者(ファン)をイライラさせるようなキャラクターは、もう2度と生み出さないで欲しいぜ、という願いは、あるのであった。

※本文中の引用部はすべてウィキより
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