十二単を着てみました。
さて三が日も終わったので、2016年一発目のエントリをあげてみます。
そしてその内容は、松の内には相応しかろうという、ちょっと稀有な体験をしてきたお話しであります。

これまでも29日の大阪ファイナルの翌日は、せっかく関西に来たんだから、ってんでいろいろ寄り道しているのは(誰にも頼まれていないのに)ご報告申し上げてまいりました。
例えば坂さんの書写真展の作品の撮影場所を後追いしたり、ベタに大阪観光したり、自分たちで奏上した甲子園のレンガ見に行ったりと、ほぼ年中行事と化している寄り道です。
そんななか、2015年は、晩夏頃に偶然発見したネットの体験記事で
「これはわたしも是非!」
と食指の働いたものでした。

そう、それがまさに【十二単を着る】。

平安(古典)文学を愛する者にとって、これほどの好機がありましょうや。
即行で12/30の体験を申し込みし、無事に受理されたので、古典好き―というか古典教科の教師なので、どっちかってーとわたしよりも体験に相応しいポジションの同行友人とワクワクしながら現地へ向かいました。

こちらが現場です。

看板に相反してごくふつうの京町屋でしたが、準備されているものは間違いなく“本物”。
数種類とはいえ、単(ひとえ)+五つ衣の【襲(かさね)の色目】も、唐衣との組み合わせの【かさねの色目】も選べるのです。
※(色目の話はマニアックなうえ難しい話なので、興味のある方は後々リンクを貼っておきますので、そちらをお読みください)

さらには着るものに合わせたメイクも施してくれます。
ようするにやや白塗りに近い、ひな人形のお顔に近いメイクですので、似合う人とそうでないそれなりに仕上がるのが怖いところです(わたしはとうぜん後者。トホホ)。
そんな下準備を経て、いざ着付けスタート!

驚くことにたったふたりで着付けてくれるのですが、丁寧に布の模様や謂れなどを説明しながらでもとてもスピーディです。
もちろん手馴れているということもあるのでしょうが、本来この装束は“高貴な方”のお召し物なので、立ったままという不自由な体勢を長時間取らせるのは無礼にあたる、ということとて素早くこなすのがマナーである、ことにも由来します。
なので、着付けによる時間拘束で疲れることはありませんでした。
ただし、どんどん重ねられる衣装が、想像以上に重い! そして胴回りが苦しい。
いやはや、こんなに着るのがたいへんなものだったとは! です、
これまさに百聞はなんとかにしかず。

そんなこんなな着付けの結果が、こちら!
どうよ? 顔が見えないからきれいでしょう?

てのもオチとして弱いので、モザイク入れて装束がわかりやすい姿も公開しましょう。
じゃーん!



ちなみにかもじを付けています。
この垂髪スタイルと、皇族方のお姿でお馴染みの大垂髪(おすべらかし)と選べます(が、大垂髪は価格がワンランク違うのでご注意)。

そしてわたしの装束のいろめですが。
いちばん外側(手の指側)の緋からピンク数枚+若葉色までを『白梅』といい、その隣の紫といちばん上の蘇芳(赤系色)を重ねて来た全体の色目は『樺桜』です。
図らずもこの色目、『枕草子』に書かれた【関白殿、二月十日のほどに法興院の積善寺といふ御堂にて】の段の中宮定子様のお召し物に近いという畏れ多いことになってしまいました。
(((( ;゚Д゚))) 嗚呼、中宮様に申し訳ない。

わたしがそんなふうにおそれおののいているうちに、続いては友人の着付けです。
手順はわたしのときとまったく同じ(あたりまえ)。
違うのは、この装束とメイクがわたしよりずっと似合っていた、ということ。
羨ましス。
その姿がこちら。
ね、堂々として威厳あるよね? 
紫式部ってこんな人だったんではないかしら? とおもえるくらいに決まってる。


ちなみに友人の襲の色目は『萌黄』。でもうっかりして、全体のいろめを聴くのを忘れてしまったです。
でもいろんな資料と照合すると『雪ノ下』じゃないかぁ。自信はないけど。

というわけで、ふたり共に着付け終わったので、ツーショットを撮ってもらいました。
これはなかなかいい感じだと自画自賛。

おこがましいけど【清少納言(わたし)と紫式部(友人)】てなふう。
当時は絶対にありえなかったこの組み合わせが実現!! と大仰に言ってみたりする。


清女「ちょっとあんた、この色目似合うわね。意外とセンスいいんじゃない?」
式部「・・・・・・(カチン」
(やっぱり険悪)

ついでにわたしがどうしても撮りたかったので、無理やり友人にやってもらった“タイムスリップバージョン”。
スマホを操る紫式部。
わはは。


ところで我々は緋色の袴を着用しています。
有職故実に則れば、いくら未婚とて我々のようなオバハンは、濃色(海老茶)を穿かないとイカンらしいのですが、着付けの方の計らいにより、緋袴でいかせてもらえました。
お気遣い、有り難く身に沁みましてございました。
なので決して無知なのではありませんと、最後に言い訳して、この体験記事を〆たいとおもいます。
いい経験ができました。
楽しかったなあ。


以下、十二単に関する資料サイト。

◆Maccafushigi・・・十二単資料

◆綺陽装束研究所・・・襲色目・かさねいろめ(女房装束)

◆色の万華鏡・・・平安時代 源氏物語の色・襲

*個人的には用語・色名ごとのページを作成されている『Maccafushigi』さんのサイトがいちばんわかりやすいかとおもいますので、隅々までどうぞ。

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十二単素敵ですね〜。私は、夏葉さんの着ている赤い方が断然好きですね〜(^^)
それにしても、これだけの枚数、顔を隠されると、無性に夏菜さんのお顔が見たくなっちゃいますね(笑)モザイクの誘惑・・・・・かな?

それにそれに、最初、お値段の話が出るまでは、髪は地毛かと思っちゃいました。
冷静に考えれば、そんなはず無いんですが・・・

from. ゆりフィー | 2016/01/04 21:25 |
いや〜面白い記事でした。
きゃっきゃうふふの、われらの神様のような無邪気さに癒されます。
from. ハッカ飴 | 2016/01/05 21:28 |
>ゆりフィー様

褒めて頂きありがとうございます。
わたしが着たほうは、鮮やかな色が多く、ほんとはもっと若い人向けの色の組み合わせなんですよ、実は。
なので顔を晒すなんてとてもとても。
あれでご勘弁くださいませ(^_^;

かもじは写真で見るとちゃんとした髪の毛のようですが、実物はナイロンのような糸なんですよ。
おもしろいでしょう?



>ハッカ飴さん

面白かった?
ありがとー♪
でも我々は
「きゃっきゃうふふ」
でなくて
「でへへうはは」
でした。



from. 夏葉 | 2016/01/08 21:25 |
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