『Battle Starship Neo.』をBGMにして。
こないだ、新譜の第一印象を書いたとき『Battle Starship Neo』について、ぜひ盡澤先生にSFを書いて欲しい、と申しましたが、ようするにあれは、わたしのなかの “SF好き” 魂が呼び起こされてしまったためが故、だったわけですが、あれから新譜を聴けば聴くほどにその呼び覚まされた魂が
「SFをくれ!」
と蠢いてつらいので、めんどくさいから自身で解決させました。

つまるところ、むかーし書いたSFを引っ張り出してきて『Battle〜(以下略)』をBGMにしながらアレンジして書いてスッキリ! しました。

そんでスッキリついでに皆さまにも読んで欲しいので、図々しくアップしてみます。
ほんとはこんなの書いてる場合ではないんですが、仕方ないのです、発作だから。
それに今日、七夕だし!


書き直したのは、長編作品の導入部です。
タイトルは『宇宙清掃株式会社(Cosmos-Clean-Company)』ってやつでした。
スターウォーズのエピソード4をモチーフにして書いてたんですが、未完のままずーーーっと眠ってました。

と、そんなことはどーでもいいですね。
とにかく、読むときはぜったいぜったい、ぜったい! 『Battle Starship Neo』をBGMにしてください。
でないと盛り上がらないから。

てなわけでよろしこ。

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プロローグ

 なんだって「アレ」がここにいやがるんだ。
 キャサワリーパイレーツの首領(ドン)、ダニオ=キャサワリーは呆然と目の前のスクリーンを眺めた。
 本来ならそこに映し出されるのは取引相手の宇宙船(ふね)のはずなのだが、なぜか。
 実距離なら3キロほど先で待ち構えているのは実に特徴的な外観の宇宙戦艦であった。メインスクリーンの片隅には、自動解析されたスケール等のデータが次々と表示される。
  全長:850メートル
  最大幅:340メートル
  最厚:90メートル
  大型ブラスター砲口台:5基
  大口径ノーマルレーザー砲口:10
  中口径ノーマルレーザー砲口:18
  小口径ノーマルレーザー砲口:60
  超大型パルスレーザー砲口:1
  空母機能・・・・・・
 しかしダニオはそんなものは読んでいなかった。
 ただひたすら、自身の乗る宇宙海賊船の前に立ちはだかる巨大な宇宙戦艦の姿に、目を奪われていた。
 銀河広しといえど、唯一無二・他に類を見ない―上下対象でブリッジを備え、船首像(フィギュアヘッド)の代わりに羽の形のモニュメントを掲げた荘厳かつ華麗なる宇宙戦艦《ALFEE》。
 それを所持するのは、宇宙清掃株式会社(Cosmos-Clean-Company)。
 いち民間企業でありその社名が示すように、ありとあらゆる清掃を業務(ビジネス)としているが、ほんとうに単なる “清掃” だけを請け負っているわけではないことは、もはや銀河系で知らぬものはいなかった。
「だからって、なんでここにいやがるんだ!」
 ようやく、ダニオは我に返って胴間声で喚いた。
「トッツィさんはどうした!」
 そう、本来ならこのポイントで落ち合うのは帝国軍幹部組織のトッツィファミリーの長(おさ)だったはずなのだ。
 なのにファミリーの宇宙船の姿はない。
「親父、逃げましょう!」
 目前の、場違いも甚だしい宇宙戦艦に圧倒され半ばパニックになっている首領に、建設的な意見をするのはタニオの右腕とも呼べる参謀のピオだ。
「たぶん俺たちの取引の情報が漏れたんですよ。たぶんトッツィさんのほうにもソナンの公安の手がまわっているはずです。今は俺たちだけでも逃げ延びて、また別ルートで帝国にコンタクトをとりましょう」
 度胸と腕っぷしだけでのし上がってきたダニオに対して、ピオは頭脳で現在の地位を手に入れただけあって冷静であった。
「お、おう・・・・・、そうだな」
 ダニオもようやく落ち着きを取り戻す。
「よし、とにかくどこでもいいからワープでずらかるぞ!」
「親父!」
 ダニオの命令にかぶるようにナビシートの構成員が悲鳴のような声をあげた。
「パルス砲だ!」
 なに?!
 船室にいる総勢28人全員が目をむいた。
 前方の《ALFEE》の左舷の一箇所が、一瞬光ったかとおもうと次の瞬間、ダニオたちの乗る宇宙船−アーモンド形宇宙船の左翼の一部が吹き飛んだ。
 同時に激しい衝撃が船体に大きく揺れ、ダニオたちも足をすくわれて倒れ込む。
『逃げようったって、そうはいかないよ』
 オープンにしていないはずの通信回線が勝手に開かれ、ド派手な宇宙戦艦が映っていたスクリーンに、今度は、ものすごい美人がアップになった。まるでこちらの会話を聞いていたかのようなタイミングだ。
『そっちのふねのメインコンピューターには同調がすんでるからね。ワープ機関を起動させたりするような真似したらすぐわかる。そしたら羽根の一部じゃなく、船体ごとぶち抜くよ』
 物騒なセリフを吐くのは、赤いグロスリップがきれいに塗られた唇。
 いかにも気の強そうな瞳は大きくやや端あがり。艶やかな黒髪が緩やかに波打ち、細面の輪郭をふちどり、肩に流れている。
 そんな超絶美人が凄む迫力は、海賊稼業でならした荒くれ者たちさえも絶句させた。
『ということで、お控えなすって』
 いきなり、その超絶美人はやや前かがみになった。
 それに合わせてカメラがすっと引きになり、美人の全身のショットになった。
 シルバーのスペースジャケットで、左手を前に出し、右足を何かの出っぱりに乗せているので、タイトスカートのスリットから脚線美がのぞいている。
 そしてその背後にはブルーのスペースジャケットで統一された船員たちがずらりと並んでいる。
『いきなりのご無礼、失礼しました。そちらさん、キャサワリーパイレーツ御一行様でお間違えございませんね?』
 すでに宇宙船に攻撃をしかけておいて今更の確認である。
『惑星ソナン中央政府ウィンドミル大統領のご依頼により宇宙清掃株式会社が大掃除に参りました。面体(めんてい)お見知りおきのうえ向後万端(きょうこうばんたん)よろしくお頼み申します』
「は・・・あわ・・わ、ら、ら、女将(ランドレディ)メイ・・・・・・」
 ピオが、倒れ込んだままの姿勢でつぶやいた。
『おや、わたしをご存知で? 嬉しいねぇ』
 にっこり。
 超絶美人―メイが艶やかに微笑んだ。
 ナナメ上の意匠の宇宙戦艦を駆って銀河の星の海を突き進む女を、知らない宇宙生活者はモグリだというのに白々しい−わりと冷静にダニオたち宇宙海賊の面々はこころのなかでツッコんだ。
『すでに予想がついているだろうけど、トッツィファミリーのほうにもウチの者と公安が向かっているし、バックにいた枢密院のアウレリオ議員も、今頃は大統領から重大な背任行為があったとして、辞職勧告がなされているはずだよ』
 そこでメイは上体を起こし、スクリーンの中からダニオたちを睥睨した。
『大統領秘書官を、事故に見せかけて殺しただろう? あれでウィンドミルは我慢の限界に達したってよ。それまでは必要悪と己に言い聞かせてソナンでしか精製できないオメホパシーである『トロロキシン』の密輸を見逃していたが、その利権をそっくり帝国に売り渡そうとするのは許せなかったってよ』
「親父・・・・・・」
 ピオが小声でダニオを呼び、メインスクリーンの下のフロントウィンドウを顎で示した。
 いつのまにか、数隻の小型戦闘機に囲まれているのが見えた。
「くそっ」
 ダニオは悪づいた。
『ウチの曳航部隊が到着したようだね』
 メイは再び微笑んだ。
 魔女だ、とダニオは古めかしいことをおもった。
『観念したようだね』
 ダニオは片手をあげるかたちで、その言葉に同意を表した。
『ハッチをお開け』
 冷徹な命令が、メイから発せられる。
 海賊の構成員は毒気を抜かれたようにその言葉の言いなりだ。
 やがて船室にブルーのスペースジャケットの一団がなだれ込んできて、ダニオたちを拘束した。
「女将さん」
 ひとりの男が、ヘッドセットのマイクで呼びかける。
「全員、捕縛完了しました」
『よし』


《ALFEE》のブリッジの上部に幾つもはめ込まれたスクリーンのひとつで、キャサワリーパイレーツの船室の様子を確認したメイは背後にした社員たちに向き直った。
「このまま海賊船を曳航してソナンの第一宇宙港に向かうよ」
「了解(ラジャー)!」
 一同が声を揃えて応じる。
 にわかに《ALFEE》のブリッジは活気づいた。
「面舵いっぱい!」
「左下方エンジン点火!」
「サイドG5パワージェネレータ異常なし!」
 各ポジションのコンソールランプやデジタルメーター、スイッチボタンが弾けるように点滅し、音を立てる。
 それら作業を見守るメイの横に、ひとりの女性社員が近づき、なにか耳打ちしてすぐ、去っていった。
 メイが満足そうに口元に笑みを浮かべているのを見て
「大統領からの入金を確認したのですか」
やや後ろに控えていた男性が訊ねた。
 メイはうなずきながら
「自身も辞職覚悟で頼んできた仕事だったから、支払われるまで不安だったけどね。きっちり全額、約束どおり振り込んでくれたよ」
 ああ、よかった。
 メイは首を上下左右に動かし、コキコキと骨を鳴らした。
「女将さん!」
 操船エリアの社員が声高に呼ばわった。
「発進準備完了しました!」
「よし!」
 メイは座標軸の映るスクリーンに目をやった。
「目標、惑星ソナン。ポイントD456-035」
 右手を高く上げて宣言した。
「《ALFEE》発進!」

 宇宙戦艦《ALFEE》が、その優美で華麗な巨体を大きく回転させ、はるかに輝く恒星に向かってゆっくり進み始めた。

小ネタ DE ALFEE comments(2) trackbacks(0)
Comment








>けい様

中二病全開の自己満足の世界ですから、わからなくてもよいのです。
というか、苦手なジャンルなのに読んでくださってありがとうございます。
わたしが初めて完結させた小説はこんなふうなSFで、実はもっとも書くのがすきなのです。
その性質はこんないい歳になっても変わらないようです(^^;ゞ

露出ラッシュ、わたしもテレビ関係はとりこぼしが多く、追いつけていません。
でももうそれは諦めてます←やっぱりダメファン。
このようなラッシュは、アルバムにかぎらずシングルリリースの時もありますが、やはり今回はちょっと多く感じます。
45周年、というのもあるような気がします。

大神神社!
JRで天理のほうに向かう時、車窓からみえるあの大鳥居の神社ですよね!
何度も奈良に行きながら、実はまだ訪れたことがないんです。
一度は行きたいと思っているのですが、さすが地元! 夏越の祓の茅の輪くぐりに行けるのですね。いいなあ。
あー、奈良行きたい!!

from. 夏葉 | 2019/07/12 21:46 |
夏葉さんの多才さに ますます沼落ち状態です(^^;
SF小説まで書けるなんて!!
残念ながら SF苦手・カタカナ苦手の私はBGMが壮大すぎて お話が なかなか頭に入ってきませんでした(T_T)
夏葉さんが むかーしに目をキラキラさせながら書かれている お姿を想像してはワクワク気分に浸っています。(そこ! ポイントじゃないですが・・・)

≪新譜リリース・宣伝活動で露出ラッシュ≫にボチボチなんとかついて行ってる感じです。
アルバム発売時は毎回こんな感じなんでしょうか。
それとも45周年だからでしょうか。
新参者の私は 【三位一体】リリース時は まだ ”ノンアル”で だ〜いぶしてからアルバムを入手しましたが定価より高い価格でしか購入できませんでした。
今回 リアルタイムで お三方や皆さんの感想を感じられることは とっても幸せです♪

先日 奈良県桜井市の 大神(おおみわ)神社で 夏越しの祓い の 茅の輪くぐり をしてきました。
皆さんと自身の健康長寿を願い 5年後にも少し想いを馳せて。
from. けい | 2019/07/11 15:52 |
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