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カツ丼のレシピに「タマネギを切る」と書くべきか否か。
一度バズって以来、惑星の公転周期のようにある一定のサイクルでプチバズりを見せる2013年の『ALFEE KITCHEN』ですが、あれが異様にウケたのは、センセイがカツ丼調理に於いて、本来食べやすいサイズに切るべきタマネギを切らず、まるごと親子鍋に入れてしまった部分にあるわけです。
で、我々ファンはもちろん、そうでない世間の皆様もおそらく、タマネギを丸ごと煮ようなどというとんでもないことをしたのが “高見沢さんだから” 面白かった、のだとおもうわけです。
ところでその衝撃の場面でセンセイは訴えます。
「だって書いてないよ、切るって〜〜〜(泣」
これに坂さんは返します。
「書いてなくても切りなさいよ」
のちのち、賢様も言います。
「書いてなくても『歩きなさい』という指示のとき、右足出して左足出して、までは書かないでしょうよ」
ご尤もです。
ですが。
このDVD、わたしも去年の秋ごろまでは、もうセンセイったらホントにお茶目さんなんだから〜〜と心底笑って見ていられたのですが、秋が深まるにつれ、笑っていられなくなってしまいました。

というのも、去年の秋、突然の人事異動により業務を後任者に引き継いだのですが、その際に渡した引き継ぎ書をめぐって
「タマネギ切ると書いてないから、正しいカツ丼が作れません」
的なことを何度も言われるようになったから、なのです。
ええ、そこにはむろん、わたしが作成した引き継ぎ書が穴だらけ、という事実もあります。
そこは素直に認めます。
ですので深くお詫びして、不足部分は追記し、独りよがりな部分はわかりやすく書き直し、要請される表記方法には従い、何度も訂正しました。
でも。
でもです。
例えば
「ここの「書類を郵送する」と書いてあるところですが、封筒のサイズや切手の代金が書いていないので郵送の方法がわかりません」
と言われた時にはさすがに固まりました。
言ったのが新卒の若者ではなく、おそらくわたしと同年代のいい大人、だからです。その人だってこれまで仕事をしてきて、郵便物を一度くらいは出したことがあるはずなのに? です。
なのにその人は
「書いてください」
と言うのです。
しかもその「書いてください」は、社封筒と切手の保管場所、レタースケールの置き場所、郵便料金をどこで見ているか、にまで及んでいました。
ちょっと待って。
社封筒が保管されている棚も、切手の入っている引き出しケースの場所も、レタースケールの置き場所も、郵便料金一覧表が貼ってある場所も、あなた、知ってますよね? それなのに?
ええ、それなのに、です。
「書いてください。でないと郵便が出せません」
の一点張り。
なので、書き足しましたとも。
その人の席からも見えているはずの封筒の保管場所の棚の位置を。切手収納ケース・レタースケール・郵便料金表の位置を。

このとき、ふいにわたしの脳裏に蘇ったのが
「だって書いてないよ、切るって」
というセンセイの言葉でした。
そうか、センセイのアレは天然なのかもしれないけど、でもよのなかには本気で
「書いてないとできない」
と言う人がいるんだ、と知ったのです。
そして年末までに何度もこれに近い遣り取りがあり、かなりウンザリしておりました。
それでも年内にはなんとか引継ぎも終わって、新年からはもう、不毛な応酬はないだろうな、と安心していた本日。
やられました。
税金に関係するちょっと特殊なサイズの書類を扱う業務の引き継ぎ書に「点線に沿って書類を切り取る」と書いたのですが(実際にわたしも切り取っていました)、それについて
「これ、切り取ると書いてありますが、なにで切るんですか? 書いてないのでわかりません」

これにはあきれ果てましたですよ。

切る道具なんて、なんだっていいよ、てか、現代のオフィスで紙を切る道具ったら、だいたいハサミかカッターじゃん、どっちだっていいよ、キレイに切れるんなら! 決まりなんてないよ!
というようなことを、かなり優しく言い換えて、伝えました。
その方は不満そうに
「・・・そうですか」
と自席に戻って行かれましたが、おかげでまた! センセイの
「だって書いてないよ、切るって」
のシーンが脳内再生されてしまいました。
ああ、もう!
あの楽しく面白いDVDが、わたしの中でイヤな体験に紐づけされてしまいつつある・・・!!
やめてぇえええ〜〜(ノД`)・゜・。


とはいえ、わたしはおもい知りましたし、考えを改めました。
或る人の「書いてないとできない」は、わたしから見たら「そんな程度のことを?」だとしても、その人にとってはそうでない、ことがある、と。
自らに置き換えて「書いておいてよ」と言ったことがなかったか? と。
どんな人が読んでも・見ても、わかりやすい説明を書く−ことはたいへんに難しいのだと。
ということで、今後もその手の文章を書く時は、親切丁寧−それもかなり微に入り細を穿つように書こう、と。
おもいましてございます。


ちなみにネットで『カツ丼 レシピ』で検索してヒットした記事の多くにはちゃんと「タマネギを切る」が書かれていましたので、あのDVDのレシピに本当に書いてなかったとしたら、賢様が仰るとおり
「レシピが悪い」
は正しいのかもしれません(笑)。
死霊のはらわたが呆れかえる comments(2) -
Comment








>mayoko様

ご同情ありがとうございます。
生きているといろんな人に遭遇しますが、紙を切り取る道具を指定してくれないと切るものも切れない、と言う大人は初めてでした。
まだまだ引き継ぎは終わらないかもしれない、とちょっと憂鬱になっていたので、mayoko様のお言葉に救われました。

カツ丼のレシピに関しては、ちゃんと「タマネギを切る」指示文があるものが大半だったので、やはりDVD収録時の料理の先生が「さすがにタマネギを切るくらいは」という思い込みで書くのを忘れてしまったのでしょうね。
日常でも「さすがにこれはいちいち言わなくても(書かなくても)」で起きる齟齬があるので、気をつけねば、と改めて思いましたので、いい経験と捉えることにします。
ありがとうございます。
from. 夏葉 | 2020/01/12 15:01 |
いやはや、お仕事で大変な苦労をなされていますね…。
夏葉さんは間違ってないと思います。その会社の人は、正直非常識すぎです。
全部書いてないとできないというのは、今までの人生で考える練習をしてこなかったんでしょうか。

そしてかつ丼タマネギの件ですが、初めて見たときから、高見沢さんの処理の仕方こそ「そりゃないだろ」と思いましたが、切ることが書いてないレシピは悪いと思いました。
なぜなら私も、切ると書いて無ければ戸惑いますし、高見沢さんのやり方には至らずとも、くし切りなのか、薄切りなのか、角切りなのか多分わからず、しばらく考えると思うのです。
もし最初から切り方が適当でいいなら、「食べやすいサイズに切る」程度でもいいので、レシピには「切る」という文言は欲しいと思いました。

かつ丼の件と、会社の人の件はちょっとレベルの差がありすぎて同じとは言えないと思います…。
なので結び付けて嫌な思いをせず、別物と考えてDVDはDVDで楽しんでくださいね。
from. mayoko | 2020/01/12 10:08 |
Text:©2004 瀬戸際日記Neo.
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